「このゲームおま国かよ!」「おま国なんだけどショック…」のような言葉をTwitterなどのSNSで見かけたり、聞いたことはありませんか?
筆者は何度もありますし、何なら何度も言ったことがあります。
「おま国」とは自分の住んでいる国で特定のゲームの特典やセールを受けられない状態のことを指します。
この記事では、おま国はなぜ発生するのか、プレイヤーにできることはあるのかについて解説します。
目次
おま国とは?
おま国とは「お前の国には売らない」という意味があるネットスラングの一つです。
例えば、海外では発売されたが日本では発売されていないゲームや、海外で販売しているゲームの金額と日本で販売しているゲームの金額が違う(大体海外の方が安い)場合に「お前の国には売らない(高く売る)」という意味を込めて「おま国かよ!」といったような表現を使われます。
楽しみにしていたゲームが自分の国では販売されない…海外よりも高い値段で売られてるのが分かったときのゲーマーのショックは計り知れません。
また、特典だけ日本版にはついていない、DLCだけ日本で買えない等も「おま国」と呼ばれます。
特にゲームプラットフォームSteamでは定期的にゲームのセールをしており、ゲームによっては90%OFFなど非常に安く購入できるケースもあります。
Steamのセールのアナウンスを見て「お!欲しかったゲームが90%OFF!?絶対買わないと!」と思って購入画面までいったときに「あなたの国からは購入できません」と言われた時など、その怒りをどこにぶつければいいのか…大体のゲーマーはTwitterで嘆き叫んでいます。
海外でも問題なっている「おま国」問題
実はこの「おま国」は日本だけの問題ではないのです。
海外ではおま国を「geo blocking(ジオブロッキング)」と言われています。
おま国は世界的にも問題視されており、欧州ではおま国(ジオブロッキング)を行っているSteam(Valve社)に対して160万ユーロ(2億円)近い制裁金を支払うように言われています。
実際、欧州連合が行った調査では、回答した団体の60%が「おま国(ジオブロッキング)」を行っていると回答したデータがあります。
また、ゲームに限らずNetflixなどの動画配信サイトにおいてもおま国は存在します。
2021年10月現在、日本版Netflixではジブリ作品が閲覧出来ないようになっています。
Netflixは、スタジオジブリの長編アニメーション21作品を世界中のファンにお届けします。
日本とアメリカ、カナダを除く各国での配信となりますが、日本発のすばらしい作品を多くの国の方々に観てもらえることを大変嬉しく思います。 https://t.co/VinJ3JSbmM
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) January 20, 2020
このように、おま国に対して悲鳴を上げてるのは日本のゲーマーに限らず、世界中にいるのです!
おま国はなぜ発生する?理由は?
おま国が行われる理由は様々であり、一概にこれが理由だ!これをなんとかしろ!とは言えません。
- 著作権の問題
- 売り上げの問題
- 表現の規制に関する問題
ただし、純粋に「日本だとゲームが売れないから」という悲しい理由でおま国をしていると公式メーカーが発信した例もあり、日本のゲーム市場と海外のゲーム市場の規模の違いが原因となっている可能性もあります。
残念ながら単純に売れないからです。多分同じものを日本で出しても100分の1の2千本売るのも簡単ではありません RT @tani4096: @nihonfalcom なぜ国内メーカーは日本語版を出さないのでしょうかね
— 日本ファルコム (@nihonfalcom) January 12, 2015
日本のゲーム市場は、まずゲーム会社が小売店に対してゲームを販売し、小売店はそこからお客さん(我々)に対してゲームを販売します。
ゲーム会社は小売店にゲームを売った時点で既に利益が発生しているため、そのゲームがお客さんに売れなくても既に利益は出ています。
一方、最近増えているダウンロード型のゲームの場合、そもそも小売店を挟む必要がありません。
上記の例で言えば、そのままSteamに販売を依頼すればそれだけで話が終わります。
そうなると、小売店からすれば面白くないですよね?
何故なら小売店でゲームを売れないため、自社の利益にならないからです。
一方、ゲーム会社も小売店の力が無ければ多くのプレイヤーにゲームを売ることはできません。
だからこそ、ゲーム会社も小売店との関係性もあるため、大規模なダウンロード販売を進められない背景があると言われています。
また、海外のゲームを日本で販売する際、ローカライズ(翻訳)の壁や、日本の代理店などを通して販売を行う必要があるため、コストが高くなることがあります。
そのようなコストの面からも「おま国」を選ぶパブリッシャーも存在します。
鍵屋って何?VPNは使っていいの?
上記のように、そもそも日本からだと手に入らないゲームであったり、セールで安くなったのに日本からだと通常料金で買うしかないゲームの買い方として「鍵屋」と呼ばれる物が紹介されることがあります。
前提として、このサイトでは鍵屋の利用を推奨しません。
そのため、どうやって鍵屋を使えばいいのかについては語りませんが、鍵屋が何故問題になっているのかについて解説します。
鍵屋の問題点
鍵屋とは、ゲームのダウンロードキー(鍵)を売っているサイトのことを指します。
Steamなどで売っているゲームよりも安く買えるケースが多くあり、おま国されたゲームであっても場合によっては購入可能です。
ただし、この鍵屋で売られているダウンロードキーには「非合法に手に入れられたモノ」が含まれていると言われています。
実際に、ゲームの販売元が「鍵屋を使わないように」と注意する例や、盗難されたクレジットカードで購入されたダウンロードキーをゲーム購入後に無効にした例もあります。
このように、鍵屋で売られているダウンロードキーは「どこから手に入れたモノ」か分かりません。
最悪、購入後にダウンロードキーが無効になり、遊べなくなる可能性も秘めています。
そのため、鍵屋は使わずに、Steamなどのプラットフォームからゲームを購入するのがベスト。
また、鍵屋もしっかりとそれは分かっており、不正なアカウントは速攻BANするようにしたり、不正なダウンロードキーを購入してしまった人には返金を行うなどしていますが、鍵屋の利用は自己責任としましょう。
VPNを使えば安くゲームが買えるって聞くけど
VPNとは、簡単に説明するならば日本からサイトにアクセスしているのではなく、海外からサイトにアクセスしているように偽装することを言います。
VPNを利用しておま国されているゲームを購入しようと考えている人もいますが、SteamはVPNを利用したゲーム購入を規約で禁じてます。
ユーザーは、ユーザーの所在地を偽る目的で(ゲームコンテンツの地理的制限を回避するため、ユーザーの地域に適用されない価格設定で購入するためなど、いかなる目的であるかを問いません)、IP プロキシまたはその他の方法を利用しないことに同意しているものとします。ユーザーがこのような行為を行ったときは、Valve はユーザーアカウントへのアクセスを無効化する場合があります。
もし、VPNを利用してゲームを購入した場合、そのゲームだけではなく、あなたの所有する数十、数百のゲームがプレイできなくなる可能性があります!
VPNを利用してのゲームの購入はやめるようにしましょう。
まとめ
- おま国とは特定の国だけ商品を販売しない・値下げしないという行為
- 原因は様々なためすぐに解決することは難しい
- 鍵屋・VPNを利用してのゲーム購入は自己責任で
おま国は、確かに理不尽な面を感じることもありますが、それを回避するために鍵屋を利用したりVPNを利用してゲームの購入をすることは推奨されていません。
最悪、アカウントBANであったり、購入したゲームのはく奪などが行われる可能性があります。
おま国は世界的にも問題になっている現象です。
各ゲーム会社もそれは理解しているはずなので、将来的に解決されることを祈りましょう。
…頼むからな、ゲーム会社のひとたち!